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日本ではヒットしたが中国で全く売れなかった3つの商品

2015年 9月 26日13:32

  2009年、中国の自動車市場ははじめアメリカを飛び越え、世界最大を誇るようになった。しかし、本来は売れるはずのカーナビは中国ではそれほど普及しなかった。

 最初、その原因はカーナビの価格が高すぎたし、衛星信号の利用も普及していないことにある、と思っていたが、どうもより根本的原因は手頃な値段か無料をアピールするアプリがたくさん登場したためだ、と最近、悟ったのだ。

 この専車のなかでまさにカーナビに代わるそのアプリが活用されているのを自分の目で確認できた瞬間だ。

過去からの蓄積がないだけに
最新技術があればそこに飛びつく

 中国には、後発者が先発者を追い越すために、「弯道超車」を利用するという表現がある。カーレースや試合などを想起すればいい。回るときは先を走る相手に追いつき、追い越す絶好のタイミングととらえて奮発する場面がよく見られる。中国産業の発展の歩みを振り返ってみると、まさにそのような現象がよく見られる。

 新しい技術が市場に現れてきたとき、後発国の中国はそこに飛びつく。それで、古くなったその分野のもう一つの技術が10年ないし数十年にわたって築いたその優位性を一気に覆してしまう。日本での人気商品だった固定電話、ビデオデッキはこうして、そのとって代わられた対象となった。

 中国でのビデオデッキの製造に大きな投資を注ぎこんだ日系企業の失敗もそこにある。世界最大の自動車市場となった中国にカーナビ需要を期待している日系企業は、その「弯道超車」現象をやはりしっかりと認識しないといけない、と思う。

 もちろん、この問題は、以上の3つの商品に限ったものではない。より広く見られる現象である。その意味では、企業としてはより先を見越した投資や市場参入を考えなければならない、と思う。